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強化品の意外な落とし穴


この手の仕事をしていると、よく聞く「強化品」と言う言葉。

でも、そこには意外な落とし穴もあったりするわけです。


たまたま、今日の作業であったので書きたいと思います。



クラッチです。

車検でお預かりの86なんですが、クラッチが切れず、ギアが入らないので合わせて直して欲しいとの事。
点検した所、クラッチのマスターシリンダー、オぺレーチングシリンダー共に異常なし。
以前にウチでOHしてあるしね。

で、最終的に疑える所はクラッチカバー・ディスクなんでミッションを降ろして確認した所、コレが原因でした。

ダイヤフラムが減ってるの分かります?
クラッチってレバー比で動いてますから、ここが数ミリ減るだけでも、ペダルにはかなりの変化がある訳です。


強化クラッチって、ノーマルから約40%ほど圧着力を高めています。
86の場合、ノーマルで圧着力430キロ程度。
強化品の場合、約500~520キロ程度。

そうすると、このダイヤフラムに掛かる負担も大きくなるので、最悪はこのようになると言う事ですね。

しかしながら、全部がこうなるとは限りませんし、気をつければ?回避できます。

それは「使い方」です。

このダイアフラムが押される時=それはギアチャンジをするときのみです。

そう、簡単に言えば、ギアチェンする時だけ、クラッチを踏めば良いんです。

バカヤロー!んなの当たり前だろ!と聞こえてきそうですが、案外それが出来ない人もいるんですよね。

例えば、信号待ちの時とかどうです?
クラッチ踏んでます?離してます?

案外、心辺りのある人っているんじゃないでしょうか?

強化品にして「使い方」で一番わるいのが、エンジンがかかってる状態でクラッチペダルを踏んでる事。
クラッチを踏んでる時間が長い人。
走りながら高回転でクラッチを蹴るなんて更に最悪ですけどね。

エンジンがかかってる、もちろんクラッチも一緒に回って擦れて、結果減ってしまうわけです。

でも、レリーズベアリングがあるから大丈夫と思われるかもしれませんが、あんな感じで減ってる場合は
大概レリーズはこんな具合ですよ。


減ったダイアフラムの鉄粉が飛びまくって、錆てご覧の通り。クラッチディスクまでに飛散。
これでスムーズに回りますかね?
実際、手で回してみてもゴロゴロですしね。


今回は、全部新品に交換して、症状はもちろん改善できましたが、強化品というのは使い方によっては
その他の部分のバランスが崩れる可能性もある訳で、ちょっとした気遣いでトラブルを回避できるという事です。



なんだか、ちょっとした思い付きで書いたんだけど長くなっちゃったな~(汗)

どうも最後まで読んでくれた方、ありがとう御座いました。では。



Racing Service YASU ~total tuning proshop~

栃木県にあるチューニングショップ「レーシングサービス・ヤス」の公式HPです 4AGをメインにオーバーホールからチューニングエンジン、また国産旧車エンジン修理も対応致します ボディーワークも行っており、エンジンからボディーまで全ての作業を自社にて一貫して行えます